光回線の申込み
活動拠点/生活拠点をアフリカに移すのに伴い、一旦実家に戻っていたので、実家のネット回線をADSLから光回線に変えました。ADSLだと仕事にならなかったので。
ネット回線に最後の申込みをしたのはおそらく10年以上前、引っ越しはしていたものの、青年海外協力隊としてアフリカで活動したり帰国後もシェアハウスに住んでいたので。そして、今回久しぶりにネット回線に申し込んだら、電話という非常にアナログなやり取りを強いられて、20年前と全く変わってなくない!?と非常に違和感を持ったので、言いたいことを言いたい放題言って、日本を去ります。(日本人の平均所得が上がってないのも当然だよねーという気がしてきた)
1997年の日本人の平均所得は、3万8823ドルと、スイスやルクセンブルクに次いでOECDで3番目の堂々たる高水準でした。
平均所得が減少し、地を這うように推移しているのは日本だけです。他の多くの国は右肩上がりで成長しているのです。ドイツが年率で約2%成長、米国や英国、カナダが年率約3%の成長、韓国が年率約4%の成長となっています。日本だけが、なぜか成長しておらず、むしろ停滞しているという事実に愕然とします。
光回線を申し込むにあたって、下記サイトを参考にしました。
上記から、携帯電話の契約に紐付いた光回線がよいとのことなので(親はドコモを使用)、上記に記載されていたドコモ光のキャンペーンサイトから申し込みました。
ドコモオンラインコンシェルジュ特典
- 20,000円キャッシュバック
- 新規工事料無料
- dポイント2,000pt
※ 電話予約受付確認メール、特典に関するお知らせメールをお送りします。
※ また、ドメイン指定受信を設定中の方は、docomohikari-online.com からのメールが受信できるようにしてください。
以下の自動応答メールを受信、特典に関するお知らせメールは届かず(ここが問題のポイント★)
下記は docomo-de.net から受信していて、docomohikari-online.com からもメールが届くとあるので、迷惑メールフォルダに格納されて1月後に削除されて可能性も0ではないですが、限りなく0に近いと思います(その後の電話のやり取りで「届いているメールを確認して頂ければ〜」のやり取りは一切無かったので)
From:
Date: 2021年8月6日(金) 9:12
Subject: 【NTTドコモ】ドコモ光のお申込み相談を受付いたしましたE5XXXXXXXXお申込みありがとうございます。
ドコモ光 お申込みご相談フォームの受付を完了いたしました。受付番号:E5XXXXXXXX
受付後、翌日以降にNTTドコモ コンサルティングセンターよりご連絡をさせていただきます。
※混雑時はご連絡までお時間をいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
※受付番号についてはお問い合わせ時に必要となりますので、必ずメールを保存いただきますようお願いいたします。株式会社NTTドコモ
ドコモコンサルティングセンターより電話があり、プロバイダは「GMOとくとくBB」で申し込み。GMOとくとくBBからも電話あり。どっちと何を話したのかよく覚えていないが、工事日を決めて、キャッシュバックは2ヶ月後と説明を受ける。
申込日:8/6
工事日:9/14
キャッシュバック日:2ヶ月後
何かとても疲れた。。(メール1本送ってくれれば済むことなのに)勤務中の平日日中に電話が掛かってきて、一生懸命電話で説明しようとする、とても覚えきれないのでメモしないといけないし、こちらからすると仕事でもないのになぜそんなことをしなきゃならんの?とイラッとしながら、「この内容は申込書として送付してもらえるんですよね」と確認して、あとは「えぇえぇ、はいはい」と適当に流しながらただただ早く電話が終わるのを待った。
ホント時間の無駄。この電話の人いる?
移動中で電話取れない ⇒ 折返し電話する ⇒ 担当者から折り返しますと言われる ⇒ 電話が掛かってくる ⇒ MTG中で電話取れない ⇒ ループ。。はぁ。。
なんかスムーズに物事が進まない。ま・る・で・ア・フ・リ・カ・に・い・る・よ・う・だ。。
もう一度聞きたい。この電話の人本当に必要なの??(一回は本人確認とか、ドコモの携帯に紐付いて申し込んでいるから、実際に使用している電話番号かの確認として必要だとは思うけど)
こんな無意味なメールは送ってくれるのだけど。。
From:
Date: 2021年8月9日(月) 12:11
Subject: 【NTTドコモ】ドコモ光のお申込み相談を受付いたしましたE5XXXXXXXX【回答】ドコモ光のお申し込み/ご相談フォームへご登録いただいたお客様へのお知らせ
XXXX様
いつもドコモをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
NTTドコモコンサルティングセンターのXXXXと申します。
この度は、ご相談/お申込みフォームへのご登録、誠にありがとうございます。XXXX様よりご相談いただきました、ドコモ光につきまして
担当窓口よりご連絡を差し上げましたが、
ご多忙のようですので、メールにてご連絡させていただきます。引き続き、ご興味をおもちいただいているようでしたら
ぜひ、お手すきの際に以下の窓口までお問い合わせください。【電話番号】0120-976-443
【営業時間】午前9時~午後8時(年末年始を除く)今後とも、NTTドコモをよろしくお願い申し上げます。
10月中旬にドコモの9月分の請求が届く。
契約事務手数料(ドコモ光):3,000円
ドコモ光工事料:3,000円
んっ、工事料って無料じゃなかったっけ?
あれっ、それにキャッシュバックって2ヶ月後って言ってなかったっけ?(口座番号は伝えてないから、、そもそもどこにキャッシュバックするつもりなの?)
ドコモ(コンサルティングセンター)の申込書とGMOとくとくBBの会員登録証を確認。
光回線:ドコモ光
プロバイダ:GMOとくとくBB
とりあえずGMOとくとくBBに電話。電話で口頭のやり取りしかしてないから(メールを受信していれば判断できるのだけど)、「ドコモコンサルティングセンターとどっちに電話すべきかわからないのでまずお宅に電話しました」と前置きして、事情を説明。ドコモの申込書に記載されている内容を伝えて調査後に折り返し電話をもらうことに。
折り返しの電話があり、GMOとくとくBB(プロバイダ)のキャッシュバック対象ではない(そもそもキャッシュバックキャンペーンは行っていないのかも)と説明を受け、ドコモコンサルティングセンターへの連絡を案内される。
ドコモコンサルティングセンターへ電話。「キャンペーンについて確認したいのですが、メールは頂いてないと思うので、口頭で伝えられたキャンペーン内容を確認するしかないでしょうか?」「そうです」とのこと。申し込んだサイトに「20,000円キャッシュバック」「工事料無料」「dポイント2,000pt」の記載があり、電話でもその説明を受けたことを説明。
20,000円キャッシュバック ⇒ 工事日の2ヶ月後の月末にdポイントとして付与する予定とのこと(11月末)
ドコモ光工事料 ⇒ 回線移行料で3,000円掛かり、記載ミスでドコモ光工事料として徴収してしまっていたとのこと(急に回線移行料という名目が出てきたのでスッキリはしないが一応納得)
dポイント2,000pt:キャンペーンサイトのサイト主から支払われると思いますとのこと(サイト主は販売代理店GMOインターネット ⇒ 2000円の為にもうこれ以上時間を掛けたくないのでこれはもう放置)
◆結論
20,000円キャッシュバックはたぶん本当
⇒ ただ何月末にdポイントとして付与されますよというメールは届かないので、一定数の割合で確認の電話をしてしまう人が出てくる恐れあり
コールセンターのオペレーターは非常によく訓練されている
⇒ 電話と書類の確認やらで2時間近く費やしたと思う
⇒ ドコモコンサルティングセンターとGMOとくとくBBのオペレーターも電話と調査で併せて2時間費やしたと思う
⇒ 計4時間の無駄!アフリカかっ!!アフリカだと電話応対してくれず窓口に行かないとなので、それよりは全然マシなのだが、もはやタイムイズマネーの国では無くなってしまったのか。。
※ 12月に、両親のガラケーに20,000ptが付与されていることを確認。どう使えばよいかわからないとのことで、4年後にポイント失効するまでにのんびり考えることにする(そろそろスマホに乗り換えかな?)
◆思うこと
コールセンターのオペレーターはよく訓練されている。逆に言えば、無駄に訓練されている。
コールセンターのオペレーターとのやり取りはとても的確で感心したが、そもそも電話せずに済ませたい。申込時にキャンペーン内容について確認メールが送付され、工事日が終わってから、X月末にポイントが付与されますとメールを送って欲しい。それがあれば、いちいち書類を見直して電話する必要もないし、掛かってくる電話がなければオペレーターも不要。
コールセンターに割ける人件費が例えば10人×20万=200万/月として、この中で顧客満足度を上げるためにオペレータを訓練することに日本企業は心血を注いでいるような気がする。なのでサービスの質はいいのだが。
ただ殆どの人がオペレーターとの電話を望んではいないので、電話をしないでも済むようするべきだと思う。
①Webサイトに多くの説明を載せておく(「よくある質問」のような形で)
②自動応答メールを活用する(今回の場合はこれかな★)
③メールやチャットでの応答を受け付ける
コールセンターの効率化やコスト削減とかに目が行きがちで、コールセンターを沖縄に作ってみたり、中国に作ってみたりはいいんだけれど、そもそもコールセンターってまだいるんだっけ?って発想になってない気がする。
上記の10人×20万=200万/月の中で、1人あたりの給与を上げるために何をしているかというと、10人で回していたところを8人で回せるようになれば給与を上げられるというロジックで、業務効率化に取り組んで、一人でこなせる業務を増やすことに専念してきたように思う(従業員に努力を強いるパターン)
これは話しが逆で、経営層が知恵を絞り、コールセンターに掛かってくる問い合わせの数を減らして(必然的にコールセンターの人数も減る)、今までと同じ仕事をしていたのに何故か給料が増えたという風にするべき(経営層が知恵を絞るパターン)
これってどこかで潮目が変わっていて、10年程前のスズキ自動車の鈴木会長のインタビューを思い出す(インドにターゲットを絞り、上手くローカライズして(現地のニーズを汲んで)、インドでの大きなシェアを占めるまでに成長させていた)
インタビュアー:現地のローカルスタッフとの文化?の違いに戸惑ったことはありますか?
鈴木会長:「スタッフに給料を上げてくれ」と言われ、「今のスタッフの人数のまま、あなた達の技量が上がって販売台数が増えないと給料は上げられない」「給料が自然に上がるものではなく、自分たちの能力向上に応じで上がる」ものだと伝える必要がありました。
「給料は自然に上がるものではなく、作業を効率化したり、各個人の技量に応じて上がるもの」ということは日本人なら当然の感覚で、この時は何の違和感もなかった。
日本の給与が上がらない問題
日本人の人件費が高いのでは?という議論が高まったのは15年くらい前?
製造業を中心(経団連のトップとか)に、「日本人の人件費は高い!この人件費でモノ作りすると高くなってしまい、世界で売れない、売り負けてしまう」という発言を受けて、「人件費を抑制することは止むを得ないのではないか?」という風潮になって派遣法が改正され、安い人件費でモノ作りが可能になった。その結果、日本は世界で戦えるようになるはずだったが、戦えていない。
この話しと完全にリンクする訳ではないけど、韓国の「最低賃金引き上げ策」のも通じるものがあると思う。当時は何の策もなく最低賃金を上げたら、雇用は減り、企業は倒産し、大変なことになる、と日本では報じられた。実際直後の失業率は少し上がったけど、実は長期的な影響は無かった。そして2019年に、労働生産性で日本は韓国に抜かれる(が、なぜかあまり報道されない)
アメリカも「最低賃金の引き上げ」をしています。
どういうことかよくわからないので検索してみる。
最低賃金が上がることによって人件費が増えると、経営者は対応せざるをえなくなります。会社のビジネスモデルを変えて、生産性を高めなければなりません。
話しを日本に戻すと、「人件費が高くて戦えない」のではなく、そして「人件費が安くでも戦えない」のは、会社のビジネスモデルを変えて生産性を高めなければいけなかったのにできなかったから?
本来は「経営が無能だった大企業」は潰れて新陳代謝が起きてもいいのだけど、日本はそれがおこりにくい。結果企業の寿命は長くなる。創業100年、200年の会社が世界一なのは凄いことだと思っていたけど、それは新興企業に取って代わられにくいだけで、逆の視点から見ると、それはマイナスであるのかも知れない。
イノベーションのジレンマ
大企業が少し鈍い動きをしてしまうのは、イノベーションのジレンマを読むととてもとてもしっくりきます。
下記の記事を読んで、当時読んだ時は気が付かなかったのですが、この本は大企業向けに「どのようにベンチャーから自分たちを守るか」が書かれていたそうですね。それが、シリコンバレーのリーダー達に「どのように大企業をやっつけるか」という見方で読まれてしまった笑
『イノベーションのジレンマ』は元々は、大企業のための目線で書かれています。大企業は、なぜいつもやられてしまうのかを研究している本です。ところがこの本を、シリコンバレーのリーダーたちは「どのように大企業をやっつけるか」という見方で読んだ。スティーブ・ジョブズが唯一愛読したビジネス書とも言われていて、アマゾンのベゾスも読んだと言われています。日本でももう少し読んでいただきたい、というのが正直なところ。 大企業から見れば、いかに自分たちの事業を新しい企業から守るか、ベンチャーや新規事業をおこなう側からみると、いかに既存の企業を破壊するかという、その双方の断面からみることができるのです。
書籍ではハードディスクを例に取って説明しています。大企業は当時企業向けの14インチのハードディスクの性能を上げるのに一生懸命だった。家庭向けのハードディスク(8インチ以下)については市場規模も小さく、安く性能も低いもので、いつ参入しても対抗できそうに感じたし、顧客からの要望により14インチの改良に取り組んだ(売上の大半が14インチなのもあり取り組まざるを得なかった)。やがて破壊的イノベーションが起こり、8インチ、5.25インチを経て3.5インチドライブが主流になったときには性能も追い抜かれて、この時点で家庭向けに参入しても時すでに遅く対抗できずに多くの企業が倒産した。
1976年に業界を構成していた17社は、比較的規模の大きい多角化した企業だったが、IBMのディスク・ドライブ事業部を除く全社が、1995年までに倒産したか、買収された。この間、129社が業界に参入し、そのうち109社が失敗した。IBM、富士通、日立、NECを別として、1996年に生き残っているメーカーは、すべて1976年以降に新会社として業界に参入した企業である。
恐ろしいですねー。生き残った上記4つのメーカーも恐らくハードディスク事業は赤字で、他の事業で挽回してたのでしょうね。これは何を教訓にすればよいかというより、津波のようなもので、ハードディスク事業を生業にしてたのが運の尽きとしか言いようがない笑
大企業は適当なタイミングで潰れた方がいいのではないかと結び付けたかったけど、結び付かなかった。
デジカメからスマホへの「破壊的イノベーション」「パラダイム・シフト」は凄まじく、Kodakは倒産し、富士フィルムとオリンパスは生き残りました。富士フィルムはヘルスケアカンパニーに転身、オリンパスは医療機器メーカーに転身しました。これは凄いことです。ただ下記記事にもあるように、アメリカにおいて倒産することは死ぬほどの大きなことではなく、Kodakを離れた優秀な研究者やマネージャーが自らのビジネスを展開していったのであれば、それはそれで悪くないのではと思ったりもします。
「長寿の大木」をよしとするか、「花が咲いて枯れてその種がまた花を咲かせる」のをよしとするのか。とは言っても、日本での倒産は一大事ですけど。
日本のように人の流動性が低い社会では、企業単位で事業の転換を図ることになります。一方、アメリカのように流動性が高い社会では、優秀な人材が企業の外に飛び出して起業しやすいので、必ずしも企業が事業転換の重要な単位にはならないのです。
日本でSIerからテック企業に人材が流れるのはこれからか?
米国でプログラマが高給でもてはやされていて、日本でそうでないのはなんでだろうと考えた時、米国ではユーザー企業の技術者が多く、日本ではSIer(とその多重下請け)の技術者が多いという実情があります。一つは雇用の流動性にあるようですが、自分は別な理由な気がします。
米国:製造業が日本を含む各国にやられ、ITで食っていくしかない ⇒ テック企業が勃興(自分達でサービスを考えて設計から実装まで)(低コスト&短納期)
日本:製造業が強くて金持っている ⇒ SIerが群がる ⇒ ユーザー企業の言うことを聞いておけば食っていける ⇒ ユーザの言うままに変なITシステムを作って無駄にマニュアルを作る(高コスト&プロジェクトは長期化)
日本は一時期は強かった。製造業(ユーザー企業)の言うことを聞いていればSIerも充分食べていけた。SIerのSEがユーザー企業の「この機能本当にいる?」という機能も金出すって言うならと思考停止したまま設計してプログラマに投げる、プログラマは言われた通りに実装する、そしてドキュメント類の体裁や「です」「ます」とかの修正に無駄に時間を費やしている間に、米国でクラウドサービスを始めとする「破壊的イノベーション」が起こり、日本はIT分野で出遅れた、のではと思っています。
イノベーションのジレンマを例に取ると、SIer企業もこのままではいけないと思ってたのかもしれないですね。ただ、製造業を始めとする儲かっているユーザー企業に背は向けられない。というよりよりユーザー企業にもっと向き合って、ユーザー企業からより多くの売上を得ようと一生懸命頑張っていたら「破壊的イノベーション」が起きて、クラウドサービス作らねばと気付いたときには「時すでに遅し」、みたいな。
なぜSIerでなく自社サービスを持っている企業が重要かというと、WealthNavi(ウェルスナビ)という企業を例に出してみます。
5-6年前の青年海外協力隊に参加する前、PHPを少し学習してWebプログラミングの可能性に触れ、色々なイベントに参加してた頃、ピッチコンテストのようなものにWealthNaveのCEO柴山さんが登壇して、1-2ヶ月プログラミングして作成した今のアプリのプロトタイプを披露して、エンジニアを募集していると話していました。ポイントとしては2つ。一つ目は、サービスを外部に投げて作るのではなく自前で作ること、2つ目は、プロトタイプを作成したこと。
2015年の話しですね。わずか5年で上場を果たしています。起業間もないのでSIerや外部に依頼するお金もなかったでしょうし、多少あってもすぐに資金は尽きたと思います。マッキンゼー出身なので、金融の知識はもちろん豊富だと思いますが、畑の違うプログラミングを学習してプロトタイプを作成したことが凄いと思いました。これが元で出資が決まり、エンジニアも集まりました(私も名刺交換したのでお声は掛けて頂きました。当時はプログラマではなくインフラエンジニアであったこと、また青年海外協力隊に合格してたこともあり、その先に進むことはありませんでしたが)
ただこんなサービスが作りたいという人と、こんなサービスが作りたい、エンジニアではないけどプロトタイプは作ってみた、一緒にサービスを作ってくれるエンジニアを探していると言われれば、後者の人と一緒に働きたいと思うでしょう。なぜ自社サービスを持っている企業が重要かについては説明できてないけど、まあいいか。
話し変わって、アマゾン・エフェクト(破壊的イノベーション)によるインパクトは凄まじく、幾つかの企業に市場から退場させられています。楽天エフェクトとか聞かないですね、何ででしょう?
いや別に企業の倒産を望んでいるわけではないですが、平和ですよね。
アマゾン・エフェクトのみがその原因であると断定することはできませんが、実際にブロックバスター(ビデオ・DVDレンタル)、サーキット・シティー(家電量販店)、コンプUSA(PC小売)、トイザらす(おもちゃ量販店)、ボーダーズ(全米第2位の規模を誇っていた書店チェーン)が市場からの退場を迫られた背景には、アマゾン・エフェクトがあったというのが共通の理解となっています。
ZOZOSUITは「破壊的イノベーション」になりそうだったけど失敗に終わり、PB(プライベートブランド)も縮小。最初からファッション業界に敵対的に殴り込んでPBを進めていた訳ではなく、一緒にハイエンドなファッションモールを作っておきながら急にPBに舵を切ったからブランド側から文句を言われるのは仕方ないとしても、マスコミがそういう報道を加熱してしまうのは国民性なのかな?
ZOZOSUITというかこの時のZOZOには注目していて、ファッション業界と戦うと思ってた。いまは完全にテック以外から手を引いて、他業界を刺激しない姿勢に終始してる。
楽天もそうだけど、日本だと「三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)」になってしまうのかな(世間に取引会社を入れると)。最初は取引会社も含めて3方良しを目指す。途中で方針転換して取引会社をないがしろにして自社ファーストを目指す。楽天の場合だと送料無料化とか。いや、ちょっと違うか。自社ファーストというよりAmazonプライムの送料無料化に引きづられてせざるを得なかっただけか。
商売仲間みたいな感じなのかな。作業を分担する。楽天は仮想モールに徹し、楽天の商品を作って売らない、ZOZOはテックに徹し、PBを作って売らない、だから仲良くやりましょうねっていう。
ビジネスモデルを考える上で、楽天とAmazonのどちらの路線で進めるべきかは興味深い。楽天は仮想商店街で、Amazonは仮想商店街ではなく仮想小売店舗だから、単純に比較できるものではないのだけど、よく比較される。楽天は仮想商店街なので、簡単にスケールできる(仮想商店街に組み込むだけ)。Amazonは仮想の小売店舗だから、地道に物流倉庫を各地に作る必要があり、時間は掛かったが、ある意味ロジスティクス企業になった。自前の物流センターがあるからロボットによる自動化等でコスト削減し、送料無料化等の手が打てる。
Kindleにしても、自分たちのサービスの有無が大きい。自分たちで電子書籍を販売しているので、そもそもKindleで儲ける必要はなく、Kindleを多くの人に届けて、そこから電子書籍で利益を上げればいい。電子書籍リーダーを製造して販売しようとしているメーカーが勝てるわけがない。
そろそろ自分の中で締めに向かっていきますが、自分達はいまアフリカで農家向け売買アプリを作成しています。
自分達はいまアフリカの農家の収入を向上させる取り組みを、上記アプリを通して実現しようとしています。
農家の収入がなぜ低いか、どのようにすれば向上させるかは上記Webサイトを隅々まで読んで頂ければわかるかも知れませんが、下記のフィリピンで同じような活動しているLTIDさんのクラウドファンディングページがわかりやすいです。
勝手にリンク張らせてもらうので、いい感じで紹介させて頂くと、フィリピンでは金融サービスに問題があり、農家は高金利で借りざるを得ないのをAIによるデジタル化で年利20%程度で借りることができ、また売買アプリによる仲介人/仲介コスト削減による収入アップが見込め、LTIDさん側は、金利20%とアプリマッチング手数料20-30%を見込むというサービスです。非常によいと思うのは、貸し出した相手からマッチング手数料として2重に利益が見込め、またアプリで収入アップをしてもらうことで借り倒れのリスクも減ることです(2回目の資金調達が完了したようです。おめでとうございます!)
開発途上国で活動していると(特にボランティア)、「雇用を守る」がマジックワードとして出てきます。ただ上記も含めて、昔の日本にも多くの中間業者がいたけど生産者と消費者を結ぶ経路は最短化され、生産者も消費者もその恩恵を被っています。
インドの安宿に宿泊した時、経営者から雇用を守る為に、洗濯機を購入せずに人を雇っていると聞きました。これは洗濯機より人件費が安いだけです。人件費が高くなれば、経営者として当然、相対的に安くなった洗濯機を買います。今思うと、「雇用を守る」は単なるマジックワードなので、惑わされちゃいけない。
生産者と消費者はより近づく
テクノロジーにより、生産者と消費者はより近くなっていく。またより近づくようエンジニアは試行錯誤する。ECサイトとロボットによる物流倉庫の完全自動化、自動運転による長距離輸送、これらの点を先で結ぶのは、Amazonなのだろうか、新しく台頭する別のテック企業なのだろうか。
今でこそテック企業の台頭しているアメリカだけど、一時期はアイビーリーグの優秀な学生達が金融業界に吸い取られていた。どこかで潮目/制度が変わって(高すぎる学費ローンを払うために高収入の金融業界に行くしかなかった)、金融業界からテック企業に優秀な人材が流れるようになり、またペイパル・マフィアと呼ばれる起業家集団も排出された。
日本もいま人材がSIerからテック企業に流れているし、アメリカで挑戦しているメルカリは、いずれ「メルカリ・マフィア」ならぬメル子とかメルチャイとか呼ばれる起業家集団を排出するのではないかと期待している。
先述の「イノベーションのジレンマ」から考えると、ITにより過ぎているアメリカは、次の何か「ロボット?」には乗り遅れるかも知れない。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
ひとえに風の前の塵に同じ祇園精舎の鐘の音には、
この世のすべての現象は絶え間なく変化していくものだという響きがある。
沙羅双樹の花の色は、
どんなに盛んな者も必ず衰えるものであるという道理を示している。
栄えて得意になっている者も、その栄えは続かず、
ただ春の夜の夢のようなものである。
勢い盛んな者も、結局は滅び去りため、
それはまるで風に吹き飛ばされる塵と同じようなものである。
うーん、平家物語がしっくりきて、20年間成長してなかろうが、どうでも良い気もしてきた(まさか平家物語で締めることになるとは)
どうでもよくなってしまったが、大事なことを忘れていた。
今はAmazonにしろ楽天にしろメルカリにしろ、販売者と消費者がダイレクトにWebサービスで繋がっているが、(物流拠点などはAmazonが先行して自動化を進めているが)まだ点の状態。
これが自動運転やドローン配送などで一気通貫でサービスが線で繋がる時が、次の破壊的イノベーションなのかなと考えている。
配送の短縮にも繋がるし、コスト面でも破壊的なインパクトを与えるのではないかと。
Amazonが実現するのか、今後生まれてくるスタートアップが実現するのか、それとも数社が連携して実現するのだろうか。