04:00 起床、ブログ執筆
最近ブログを睡魔に襲われながら書いていたので、昨日は早く寝て、朝早く起きてブログ執筆することにした。ドミトリールームから廊下へ出るドアの締まりが悪く中々空かない。強く押すと、ドガンッという音とともに空いた。イタリア人女性を起こしてしまったようだ。起きてきてキッチンで一服する彼女にすまないと伝えた。後で聞いたが、シャーロットも夜中トイレに起きた時ドアが中々空かず、ショルダーアタックしてドガッという大きな音を発生させてしまったと言っていた。
08:00 支度及び朝食
08:30 出発
足の痛みが酷いので、シャーロットに自分も今日は20kmにすると伝え、一緒に出発することにした。少し歩くと升目上に絵が描かれている場所があった。シャーロット曰くこれはすごろくをモチーフにしたモニュメントだそうだ。
シャーロットは28才のオランダ人で、高校の数学の教師をしていたそうだ。今は仕事を辞めて時間があるのでこの巡礼をしているとのこと。右手薬指に指輪を確認した。戻ったら彼氏と結婚するのだろうか。自分はコンピュータの仕事をしていることを伝えると、コンピュータなんて難しい仕事凄いわねというとので、いやいや数学の教師の方が難しいと思うよと返した。
来年の春アフリカに2年間ボランティアに行くので、自分も仕事を辞めている旨伝えると、彼女も5ヶ月間西アフリカにボランティアしに行っていたことがあると言っていた。2年なんて長い期間凄いわねと言っていたが、逆に5ヶ月で身のあるボランティアをする方が自分は凄いと感じていた。たぶん普通なら現地の環境に順応するだけで2-3ヶ月は掛かってしまうだろう。
スポーツは何をしているを聞くと、キックボクシングだそうだ。オランダは格闘技が盛んだし、シャーロットも体格がいい。バックパックも背負っていないかのように楽々歩いている。本気で殴られたらすぐやられそうだ。少しびっくりした表情を見せると、私のはフィットネスみたいなものよと軽く肩をポンと叩いた。
一本道の山道ならまだしも、街の中で話しに夢中になるのは危険だ。私たちは何度かシンボルマークを見過ごし、勘を頼りに進んだり、少し戻ったり、街の人にそっちっじゃないよと声を掛けてもらいながら進んだ。
いつこの巡礼をすることを決めたのか聞いてみた。2週間前だそうだ。家族にあなたクレイジーねと言われたそうだ。確かに普通の感覚だともっと前から準備するのが普通なんだろう。自分は1週間前に決めて即フライトチケットを購入して、バックパックと軽登山用の靴はフライト当日に買ったことを伝えると、上を行くクレイジーねと言われた。確かに遠い異国から1週間前に決めて巡礼している人は他にいないだろう。そのせいでガイドブックも買えなかったし、ほとんど情報収集する時間が取れなかった結果、苦労が絶えなかったのだが。
シャーロットはフランスから歩いてきている。40日掛けて歩いてきたと言っていたので、最終的に70日くらい歩くことになるのだろう。今でこそズボンに手を突っ込んで朝の散歩でもするかのように楽々あるいているが、初日はやはり10km歩いただけで大変だったと言っていた。どんな国の人と出会ったかなどを聞くと、自分の知っている人ともすれ違っていたようだ。5日目のエステラで会った、日本語を勉強しているハイスクールの学生がいる4人のファミリーの姉だったり、アメリカ人のコリーだったり。
宗教はと聞かれたので、少しだけ仏教と答えた。仏教はピースフルでいいと言っていた。彼女はカトリックではない。巡礼はしているものの、詳細は理解できなかったが、カトリックとプロテスタントなのか、他の宗教とのイザコザなのか、そういった理由でカトリック系の学校に通っていたものの、信仰しなかったそうだ。他の巡礼者の人も仏教はピースフルでいいと言っていた。確かに宗教を理由に仏教が宗教戦争したことは聞いたことがないし、宗教の中では断トツ平和的な宗教なのかもしれない。
初日のピレネー山脈を越えた夜の教会のことを思い出したので、その話しをした。僕らは何度か立ったり座ったりをさせられたが、シャーロット曰く、神父さんは、カトリックの人だけ立って、座って、皆立って、座ってと言っていたようだ。立たされたり座らされたり大変だったねーと。確かに全員立っている時と、半分くらいの人しか立っていなかった時もあった気がした。最後にハグとキスする状況があったことを話し、その時横にいた日本人のケンジと目を合わし、無理だよねーとアイコンタクトしながら笑い、握手だけにしたことを話した。彼女もその時はハグではなくて握手を選択したようだ。
ハグ繋がりで、コリーが韓国人女性とハグして、韓国人女性が戸惑っていたことを目撃したと言っていて、ちょっと笑ってしまった。これは確信犯だな!自分も再会だったり別れだったりの時に自然とハグをするようになったが、お互いに自然とだ。戸惑っている相手にすることなんてない。
欧米人は歩くのが早い。歩く時のスライド(歩幅)が大きく、また脚が長いからだろう。小刻みに歩いていた歩幅をシャーロットに合わせて大きくスライドさせてみる。シャーロットが「その調子よ」と言いながら笑っている。短い脚ではやはり小刻みに歩くしかない。シャーロットの長い脚が羨ましかったので、その脚が欲しいと伝えた。
途中でイタリア人のダニエルと会う。昨日の夜キッチンには来なかったので面識はなかったが、同じアルベルゲに泊まっていて、シャーロットとは少し面識があったようだ。デイバックのような軽装備だが、寝袋は別に持っている。彼も巡礼の旅を続けているのだろうか。高性能そうなカメラを持っていて、カメラを撮る姿はネイチャーカメラマンのように見えた。
シャーロットがリスに気付く。野生のリスに遭遇するのは始めてだ。少し興奮してスマホを構えると、リスがポージングして待っていてくれている。ダニエルが「チッチッ」と言うとリスがダニエルに寄っていく。凄いダニエル!自分も真似して「チッチッ」と言ってみると、リスが近寄ってきた!
12:00 昼食
ダニエルを加えて3人で昼食を取った後、先に行ってくれと伝えた。午前中は頑張って合わせていたが、足を痛めている今、欧米人の速度に付いていくのはもう無理だ。シャーロットも僕の速度に合わせてくれていたのだろう。ダニエルと一緒に歩くと、あっという間に距離が遠ざかり、すぐに見えなくなってしまった。
左足を引きずるように歩きながら、何とか今日の目的地のベントサへ到着した。1軒しかないアルベルゲに着くと、閉まっていた。スペイン語が読めないので、シーズンオフなのか、単にまだ開店時間でないだけなのかわからない。この街にはバーが1軒ある。そこで情報収集してみることにした。
バーに着くとちょうどシャーロットとダニエルが出てきた。ちょっと休憩していて、ダニエルは思案した後、10km先の街に向かうことを決断したようで、旅立っていった。シャーロットにアルベルゲはたぶんクローズしていると伝えてから、バーの店主に確認した。やはりクローズしているそうだ。代わりにホテルの名刺をくれた。
15:00 ホテル到着
ホテルは高い。ただ10kmは約2.5時間。18時前に着ければよくて、足を痛めている自分は19時頃、日はとっくに暮れているだろう。シャーロットと取り敢えずホテルへ向かう。20ユーロまでなら出せるとシャーロットは言う。そうだねと相槌を入れつつ、それ以上は確実にするだろう。ホテルに着くと、ドアは鍵が掛かっているようにも見えたが、押すと空いた。ホテルのスタッフに値段を確認すると、55ユーロだそうだ。1泊5-10ユーロのアルベルゲに宿泊している自分達にとって、55ユーロは目が飛び出るほどの金額だ。
シャーロットがスタッフと会話を続けている。2人部屋の値段を確認しているようだ。65ユーロ。シェアすれば32.5ユーロだ。これなら何とか妥協できる値段だ。ドミトリー形式の宿で宿泊を続けている自分達にとって、ベットさえ分かれていれば、他はあまり気にならない。ダブルベッドでなく、シングルベッドが2つをスタッフに念を押した上で、自分達はここに泊まることにした。
スタッフに電話で予約したかと何度か聞かれる。他の人が電話予約したのだろうか。自分達はしていないと伝えると同時に男性が入ってくる。彼が電話予約した本人のようだ。後でわかったことだが、このシーズンはこのホテルにスタッフはいない。この男性が電話予約したからスタッフの人がやってきて、自分達が到着した時にたまたま鍵が開いていたようだ。
シャワーを浴びて洗濯を済ませた後、荷物を整理する。昨日寝袋を買ったのでバックパックがパンパンだ。パーカーとトレーナ、それと寝巻用のスエット、どれか一つはいらないだろう。最近は風を通さないパーカーを重宝していて、トレーナーはあまり使わなくなっていたので迷わず捨てることにした。そして200gの塩も50g程を残して捨てて、コンタクトのすすぎ液も350gもいらないので100g程残して捨てる。液体洗剤も必要な分だけ残し、残りは捨てた。
17:00 ちょっと外に出ると戻れなくなる
シャーロットには隣のリビングにいると言って暫くそこにいた。その後ちょっと外に出たくなり、すぐ戻るつもりだったので、鍵を持って出なかった。しかしホテルの入口がオートロックのように鍵がかかってしまいなかに入れない。まあでもインターフォンを鳴らせばスタッフの人が開けてくれるだろうとインターフォンを鳴らす。反応がない。トイレでも行っているのだろうか。時間をあけて再度試みるも状況は変わらない。どういうことだろう。いちるの望みを掛けて下からシャーロット!!と叫んでみたが声は届いてないようだ。
もう寒さで凍え死にそうだ。取り敢えず一旦バーへ行って紅茶でも飲んで温まって何か考えようと、一旦思い立つも、ホテルの名刺を貰っていたことを思い出し、掛けてみることにした。自分でそう設定しているのかデフォルトの設定なのかはわからないが、海外で自分の携帯電話が使えることを前回のインド旅行の時に確認していた。
電話して繋がる。先程応対してくれていた男性が出るものと思っていたら、女性が出た。スペイン語だ。取り敢えず英語で状況を説明して、ホテルのドアを開けてほしい旨伝える。何とか伝わったようだ。電話を切って待つ。中々開かない。どういうことだ。
暫くするとドアが開いた。シャーロットだ!
ホテルなのでキッチンもないし、近くにスーパーもない。なのでシャーロットとバーでご飯を食べる約束をしていた。そろそろバーに向かおうと自分を捜していたのだが、リビングにいないしどこに行ったのだろうと思っていたところだったそうだ。シャーロット曰く、受け付けを済ませた後スタッフは自宅に戻ったそうだ。どおりでインターフォンを何度鳴らしても応答がない訳だ。何か羽織るものを取りに部屋に戻り、それからバーに向かった。
17:30 ディナー
パエリアと赤ワインを注文する(11.5ユーロ)。スペイン語で何か聞かれる。赤か白かと聞かれていたのだろうか。シャーロットが答えてくれる。「ビノティント(赤ワイン)」それ知ってる!と思わず言う。シャーロットもスペイン語は挨拶程度だが、「ビノティント」は覚えてしまったらしい。スペイン語がわからなくても、バル行ってこの単語さえ言えば赤ワインが出てくるのだ。
ここでそう言えばホテルに電話していたことを思い出す。ここまでの話しを纏めると、おそらくコールセンターのようなところに繋がって、「ホテルの中に入れなくなったのね。じゃあ誰か向かわせます」みたいな流れが実際のところな気がする。もしかすると10分ほど待っていたら誰か来てくれていたかも知れない。でも今はもうバーに来てしまっている。まあいっか。
18:30 アルベルゲへ戻って、ブログ執筆
20:30 就寝